神戸ポートタワー

日記(最新)

アーカイブ

line

2025年6月3日(火)

養老孟司氏の壁シリーズの最新作「人生の壁」を読みました。

人生の壁

ちょっとおじいちゃんの愚痴的な感じを受ける部分も多少ありますが、「家」の考え方は個人的には新鮮でした。

「個性」のない人にとって、尊重されるべき「個」とは何になってくるのでしょう。家制度というものは、実はそれをある意味で保障する制度だったわけです。

たとえば長男に対しては、「家を継ぐ立場の者」という役割を持たせていました。

そういう役割を社会や制度が強制的に与えてきた。強制なので当然、反発もあるのですが、そういう制度が個の安定にもつながっていたわけです。

共同体、人と人の結びつきを徹底的になくしていき、個人だけがバラバラに存在している状況になれば、個人の不安は増すに決まっています。

私自身、少なくとも400年は続く家の長男です。

お盆になると先祖の戒名が書いた大量のを札板を仏壇の位牌から取り出して並べます。

墓参りに行けば、元禄に鬼籍に入ったご先祖様から代々の墓が並びます。(個人墓が一般的になったのがそのあたり)

小さい頃から祖父に教えられ、私という人間はそういう立場であるという認識であり、ある種の誇りでした。

しかし、結婚して妻と話しているとどうもそのあたりの価値観が違うことに気付きました。

妻は非常に合理的で、個を大事にする考え方を持っていると私は認識しています。

妻の考え方は間違っていないし、家系、出身地、身分にプライドを持つことなどそれほど意味が無いと私も頭では理解しています。

でもそこから離れることが出来ないのは、もしかすると「個の安定」に関係しているのかもしれません。

「家」という制度がなくなり、急にみんなが「個人」になり、墓も先祖も繋がらなくなりました。そうすると時間的、歴史的な継続性がなくなり、常に「今」しかなくなる。

論理的に説明できないもの、経済合理性が認められないものは次々に否定していったとも言えるでしょう。

「すでに世の中にあるものには、何らかの理由があって存在している」ということでは納得しない人がいる。自分たちが正しいと思う論理を優先させる。そういう人は自分よりも社会が先に存在している、ということが理解できていません。

社会にあるものは時には何千年もの間に作り上げてきたもの、積み重ねられてきたものであることも珍しくはない。ところが、「そんなものは要らないだろうと」と、その時点での考えだけで切り捨ててしまう。

上記は墓じまいに関連して述べられていますが、確かに伝統やしきたりの中には合理的でないものが沢山あります。

今の時代、口では多様性が重要と叫びながら、グローバリゼーションの名のもとに個人主義、合理主義の西洋思想で世界の価値観が統一されつつあります。

日本人だけがその流れに抵抗することなど出来るはずもなく、例えば神事であっても動物虐待だと言われ、情報はSNSで瞬く間に広がり論理的に説明できないことがあれば批判の対象となります。

きっとこのあたりが現代の日本の「生きづらさ」なんだろうなと思うのです。

東洋では元来まず全体を見て、どんどん中心となる対象に視点を移していくものの見方をしているはずです。

そこに中心から全体へ視点を変える西洋のものの見方が横から入ってきて、衝突なく融合できるのかという話です。

また西洋思想のベースは一神教であり、一つの考え方を「絶対に正しい」と定め、〇×をはっきりさせたがります。

そういう考え方が広がる社会に対して、もう少し柔軟な形があっても良いのではないかと提言されていると理解しました。

社会から「不純」なものを排除していくと、いい加減さやゆるさを許容しない方向に向かいます。その結果、ささいな問題が巨大な問題になってしまいます。

物事を杓子定規に考えすぎることで、ルールだけがどんどん多くなり、融通がきかなくなっている。決まりはそうだけれども、これは仕方ないよな-そういうバッファー(余白)がなくなっているのです。

何にでも意味を求める、あるいは何についても意味を説明できると思うほうが間違っているのです。

だからと言って古き良き(?)日本の伝統的な考え方に戻るなんて到底無理なわけです。

先祖だの墓だの言ってきた私が言うのもなんですが、古い日本の価値観はやっぱり現代の生き方には相容れない部分も多いです。

でも何も考えず西洋思想を受け入れるのではなく、日本人のベースにある考え方やものの見方があると理解した上で、上手く取り入れていければ良いと思います。

言い換えれば何が何でも理に適っていないとダメだと固執するのではなく、全体として上手く回るように良い意味でのいい加減さやゆるさが求められるのではないでしょうか。

この日記ではやたらと今vs昔、個人vs共同体、西洋vs東洋の対立軸で書いてしまいました。

「人生の壁」で伝えたかったのは多分そこじゃなくて、養老先生はもっと素直に人生を送るべきと仰っているように思います。

「他人とつきあうけれども、過剰に気にしない」ということを成長するにつれて覚えていく必要がある。

「自分自身の心の置き場、心地よい場所」で暮らすことが自分自身の精神にも良い。

とらわれない、偏らない、こだわらない。

人生において効率のみを追求することはおすすめしません。大切なのは、精一杯生きること、本気で生きることです。

line

2025年5月6日(火)

今日は11連休のGW最終日。

この連休を使って東条湖おもちゃ王国に行ったり、再度山に登ったり、実家に帰省したりしていました。

おもちゃ王国では、入場から数時間全く乗り物に乗らず母の傍を離れない6歳長男と、癇癪を起こす4歳次男に心を折られかけましたが、何とか持ち堪えました。

その後はあまり頑張らなかったので、現状、精神は比較的落ち着いています。

連休の真ん中あたりで、再度山登山で一人の時間を取れたのが良かったのかもしれません。

また昨日は実家から戻ってくるのにミジュマルライナーに乗りました。

ミジュマルライナー外観

見た目はほぼオーシャンアローですね。(笑)

名張から鶴橋まで特急に乗るなんてブルジョワでしょ。

お金はかかりますが、子供だけでなく私も楽しめたのでこういうのも良いですね。

ミジュマルライナー座席

ミジュマルライナー内部

それにしてもミジュマルに三重県は征服されつつあるようです。

2月後半から走り出したこの乗り物だけでなく、4月には県内の全ての市町村(29市町村)にミジュマルが描かれたポケふた(マンホール)の設置完了しました。

夏には鈴鹿と鳥羽にミジュマル公園がオープンするんだとか。

このままいけば次の知事はミジュマルになるんじゃないかと...。

その暁には県名を三重(ミジュ)県に変える方向ですね。

line

2025年4月12日(土)

トランプ大統領が関税で無茶苦茶してくれたおかげで市場は大混乱です。

今年は1月後半がピークで、そこから既に資産が800万円ほど目減りしています。

それでは皆さん、ご唱和ください。

「竹バイク、ざまぁー!」

アプリで資産を見るのは身体に悪いので今日は気分転換に一人で花見です。

私の定番の花見スポットである伊丹の瑞ヶ池公園へ。

池を一周しながら、いつも通り愛機で写真を撮ってました。

写真を撮るのは良いのですが、サイトに載せるときの最近の悩みが「画質」

960×640で普通にリサイズすると150kBくらい。

ちょっと重いのでtinyPNGというサイトで容量を半分くらいに変換してアップロードしています。

ただ画質が落ちてしまうのが気になっているんです。

そこで何かいい手はないかと探すと、jpgからwebp(ウェッピー)にすると同等の画質で20~30%の容量を削減出来るとのこと。

squooshというサイトでリサイズ&webpに変換したものと、従来通りtinyPNGでjpgを処理したものとを比較してみました。

左がjpg、右がwebpです。(比較のために容量はどちらも約75kBで揃えています)

jpg
webp

スライダを動かしてみると、jpgの方がちょっと滲んでいるんですよね。

えっ、分からない...。

何はともあれ今後はwebpをメインで使っていこうかと考えています。

そういえば瑞ヶ池公園には日米友好の桜というものがあります。

ワシントンD.C.のポトマック河畔の桜は伊丹の桜の苗木から育っているんです。

ホワイトハウスから徒歩圏なのでトランプさんもこの桜を愛でているはずです。

お願いです...伊丹市民の竹バイクにもっと優しくしてください。

line

2025年3月23日(日)

最近、妻の本を読んだことばかり日記に書いてますが、今回もそれです。

でも今回は難しい自己啓発本ではなく、もっと親しみやすい本です。

風の谷のナウシカ

皆さんご存じ「風の谷のナウシカ」です。

ボールペンを置いてみてサイズを表現したかったのですがイマイチですね...。

簡単に言うとバカでかい百科事典サイズの上下巻です。

ナウシカの映画は空でセリフが言えるくらい見ましたが、原作を読むのは実は初めてです。

昔から原作は映画と全然違うと風の噂で聞いていましたが読んでみて分かりました。

...アナザーワールドくらい話違うやん。

映画にトルメキアと戦う多民族国家土鬼(ドルク)なんて出てきませんが、原作では彼ら無しでは話が展開出来ないストーリーです。

巨神兵も映画では出てきて直ぐに「腐ってやがる」で終いですが、原作ではもっと活動しています。

原作の巨神兵を見ているとエヴァのフォースインパクトが頭を過ります。

そしてこの原作でもう一度ナウシカの映画を作り直して欲しいと思うわけです。

そう、「シン・ナウシカ」です。

映画のナウシカの原画に庵野さんは携わっているわけで、ゴジラ、ウルトラマン、仮面ライダーに「シン・」付けて良いならナウシカも良いでしょ。

勝手に4部作くらいでシン・ナウシカを期待しています。

line

2025年2月23日(日)

妻に勧められて次のような本を読みました。

すぐれたリーダーほど自分にやさしい

すぐれたリーダーほど自分にやさしい 若杉忠弘著

タイトルだけ見ると何について書いているのか分からないですが、副題にあるセルフコンパッションの技術について書かれています。

そもそもセルフコンパッションとはなんぞやという話から私はスタートしました。

本書にはセルフコンパッションの定義がいくつか書かれています。

①セルフコンパッションとは、ひと言で言えば、「自分に優しくすること」。

②セルフコンパッションとは、大切な友人に接するように、自分自身にも接すること。

③セルフコンパッションとは、心の受け身であり、正しい傷つき方のこと。

④セルフコンパッション=自分のニーズに気づき、ニーズを満たす行動をとる。

コンパッションが思いやりという意味なので確かにそのままの意味を考えると自分に優しくするということですね。(定義①)

しかしながら、ただ甘えろという話をしているのではなく、物事の受け止め方とそれを行動に繋げる技術というのが私の理解です。

どうしてもマイナスなことがあると自分を責めがちですが、傷口に塩を塗っても状況は好転しないので、困っている友人に声をかけるように自分に接するのが必要と説いています。(定義②)

定義に近い部分では「セルフコンパッションの特徴は、マインドフルネス、共通の人間性、自分へのやさしさの3つです」との記述がありました。

マインドフルネスで今あるありのままの自分に気付く。

そして自分だけがそういう状況あるわけではなく、皆そういうことはありえると思うのが共通の人間性を感じる。

最後に自分を追い込むのではなく、自分自身に対してやさしい言葉をかけてあげる。

この一連の流れが心の受け身、正しい傷つき方ということです。(定義③)

読み始めは自分に優しくするなんて意味があるのかと疑問を持ちました。

全て読んでから私が理解したのは、やさしい言葉をかけるのは目的ではなく次の行動に繋げる手段だということです。

定義④は自分を客観視して本当のニーズは何なのかを感じ取り、次の行動を取れるよう自分に声掛けを行うというイメージで理解しています。

またこの技術は自分だけでなく相手との関係の中でも使えるので、相手のニーズを感じ取るという点でもセルフコンパッションは有用であるということです。

私は思い通りにいかないと、無関係なことも含めて自分はダメだと責め立てて落ち込む負のループに入りがちです。

そういう思考パターンに陥る自分を認識した上で、今ある自分を客観的に捉える訓練(マインドフルネスの部分)が私には必要だと感じています。

相手のニーズに気付くという点においては、子供が無理を訴えてくる状況に対して直ぐに拒否するのではなく、本当のニーズが何か一呼吸おいて考えて伝えることが出来るようになれればと考えます。

育児で精神的に追い込まれなければ、本書は読んでもスルーしていたでしょうね。

でも今の自分には響いており、良いタイミングで良い本に巡り合わせてくれた妻に感謝です。

まずは「大丈夫、これはチャンスだ」と自分にやさしい言葉をかけてみようかな。

line

2025年2月8日(土)

ここ数日、阪神間でも雪が舞う日が続いています。

それでも長時間降り続くことはないので伊丹は全く積もる様子はないです。

最後に1cm以上積もったのが11年前なので次に積もるのはいつになることか。

雪は積もらなくても気温は氷点下になるので子供のために先週くらいからベランダで氷作りにチャレンジをしています。

ただこれが全然凍らないんです...。

伊丹の最寄りのアメダス観測地点は伊丹空港(大阪府豊中市)。

毎日気温をチェックして確実に氷点下になっているもののベランダに出したH2Oは分子運動をやめていないのです。

伊丹空港よりも我が家は市街地なので少しは暖かいかもしれませんがそんな大差ないはず。

最初は洗面器を使って失敗して、熱伝導が悪いのが原因と疑って金属のフライパンに変更。

しかしフライパンでも失敗するので水の量が多いのではないかと思い、水は最小限の量にしましたがそれでも失敗。

エアコンの室外機の上に置いていたので室内から出来るだけ離した場所に移動させてみたものの、結果は同じ。

フライパンと一緒にアルミのボールも設置して色々工夫したのですが昨日まで失敗続き。

それでも諦めずにトライしていたらようやく今日になって凍りました。

氷作り

氷作り

アルミのボールだけじゃなく、フライパンの方も凍っていたので金属の材質の問題ではなかったようです。

今朝は-2度を下回った時間が長時間続いたので、これまでは単純に冷え方が足らなかったという可能性が高いです。

伊丹空港気温推移

実家がある名張や以前住んでいた三田に比べれば伊丹の寒さなんてかわいいものですからね。

それでも1年に1回くらいは積雪を見てワクワクしたいと思うアラフォーのおっさんでした。

line

2025年1月29日(水)

本日、38歳最後の日にサイトを移転しました。

今まで利用してきた無料サーバーのスターサーバーフリーが3月末で終了するためです。

移転は面倒ですが、良い機会なので独自ドメインを取得してみました。

このサイトを24年以上やっていますが、お金を使うのは実は初めてです。

流石、守銭奴の鑑(かがみ)ですね。

取得したドメインは【takebike20.com】です。

今日からはこのサイトの正式アドレスは【https://takebike20.com/】ですのでよろしくお願いします。

無料独自SSLが使えるので、http→httpsにも出来てブラウザのアドレスバーの横に「セキュリティ保護なし」と書かれることもなくなりました。

この移転ではDNSサーバーと.htaccessの使い方が勉強になりました。

DNSサーバーはドメイン名とIPアドレスを紐付けるものです。

独自ドメインを取得してもDNSサーバーを正しく設定しないとアクセス出来ないわけです。

大学時代に情報系の授業に潜り来んで聞いたことはありましたが、実際に設定するのは初めてでした。

.htaccessはウェブサーバーの動作を制御するファイルです。

使ったのは以下の2通りです。

①httpでサイトにアクセスしてもhttpsにして表示

何もしないとhttpでも表示は出来てしまうので以下のコードを新サイトの.htaccesに追記してhttpsに統一しました。

RewriteEngine On
RewriteCond %{HTTPS} !on
RewriteRule ^(.*)$ https://%{HTTP_HOST}%{REQUEST_URI} [R=301,L]

②旧サイトのアドレスを訪れた場合に新サイトのアドレスで表示

旧サイトが残っていると面倒なので旧サイトの.htaccessに以下を追記して新しいサイトに自動で飛ばすようにしています。

RewriteEngine on
RewriteCond %{HTTP_HOST} ^takebike20.starfree.jp
RewriteRule ^(.*)$ https://takebike20.com/$1 [R=301,L]

今後、Google検索にいつどのように反映されるか楽しみです。

line

2025年1月12日(日)

年が明けて10日以上が経過していますが、私は実家にいます。

長い正月休みだなと思われるかもしれませんが違います。

実は昨年末の日記で書いた精神の不調が改善せず対策として本日から妻と子供と離れて実家に帰省しています。

一昨日、人生で初めて精神科を受診しました。

ここ1,2ヶ月家族に強く当たってしまう状態を説明しました。

まず私の中にある「べき思考」が強く影響しているということでした。

「べき思考」に至る背景として心理学的には「強迫」があるようです。

私の頭の中で「~しているとor~しないとひどい目にあう」という思考が行動させているということです。

例えば、子供が牛乳入りのコップを持ってどこかに行く素振りを見せるとします。

私の中では、こぼして後始末をさせられると「こぼす」という事象が発生する前から強く思ってしまうのです。

そうすると心の中では牛乳がもうこぼれているので、牛乳は机に座って飲みなさいと強く言うという行動に出ます。

実際に牛乳をこぼしたらやっぱりこぼしたとさらに強化されて、べき思考が強くなります。

子供がすることは面倒なことが多いですから、全て気になってイライラしてくるわけです。

悪化すると視界に入る子供の存在も私の不幸の原因と認識するようになり心理的に落ち着かない状態に至ります。

常に気持ちが落ち着かないので不機嫌になり激昂するという流れです。

この問題への対処は難しいと精神科の先生も仰っていました。

ただ専門家から症状の原因説明が受けられたので、ちょっとすっきりして今後自分なりに対策を講じようと思っています。

考えているのは、イライラしたらそれは「強迫」という心理的状態に陥っているよと自分に伝えてあげること。

自分で自分を俯瞰して見るメタ認知というやつです。

怒ってはいけないと自分を無理やり抑え込むのではなく、怒っている自分を受け入れてみようと思います。

職場の上司にも年明け早々に自分の状態を伝えており、来週は仕事も全てお休みです。

一旦、家族からも仕事からも離れて、精神の休息とともに自分を見つめなおす時間を持ちます。

2025年一発目の日記から話題が暗いですが、人生で書き留めておくべき重要な事柄と認識しています。

PVアクセスランキング にほんブログ村

竹バイク四六時中 since 2001-09-08 / Copyright 2001- TAKEBIKE. All Rights Reserved.