インランド鉄道旅行記 |
この旅行記は1ヶ月のイギリス滞在中に行った鉄道旅行について記したものです。 イングランド内が3日間乗り放題になるフレキシータイプのBritRail Passを利用して旅に出ました。 BritRail Passというのは外国人観光客向けのイギリス国鉄(National Rail)の乗り放題券です。 イギリス国内では手に入らないので、出発前に日本で入手しておく必要があります。 このチケットが得か損かは議論がありますが、竹バイクはこれを使って10/7-10/8にイングランド北部、10/14にソールズベリー周辺を訪れました。 確かに青春18きっぷに比べれば割高ですが、どんな電車でも自由に乗れるのは旅の自由度が広がって楽しいものです。 この旅行記がBritRail Passを使おうとしている方の参考になれば幸いです。 それでは早速、旅について書いていきます。 10/7(土)、朝7時にロンドンのホームステイ先を出て、Euston駅に向かいました。 日本と違ってロンドンには主要駅が沢山あり、目的地に応じて出発駅が異なります。 Euston駅はイングランド北部方面に行く列車の出発駅になっています。 駅に到着後、チケットカウンターに行き、BirtRail passのバリデーションを行いました。 日本で購入してイギリスでバリデーションを行う必要があるので注意が必要です。 あとはチケットに自分で使用する日付を記載すればオッケーです。 ついでにチケットカウンターで次のチェスター行きの列車の座席予約をしようとすると、「7分後に18番線から次の列車が出るから空いている席に座って」とのこと。 言われるようにEuston駅を8時過ぎに出発するチェスター行きのヴァージントレインズの列車に乗り込みました。 入ってみると、ほとんど空席だったので予約無しでも座れました。 列車はロンドンを出て北西方向に走り、あっという間に北海道のような丘陵地帯になりました。 車窓からは羊や牛が草を食む様子が見られます。 これがイングランドの原風景だそうです。 列車に乗ること2時間ほどでチェスターに到着しました。 チェスターはイングランドの北西部にある中程度の都市です。 街全体が城壁に囲まれており、中世の雰囲気が残るのが特徴です。 東門には立派な時計があり、ここから中はタイプスリップしたかのような雰囲気です。 石畳の道を歩くと両端には木造の建物が並びます。 城内には重厚感のあるチェスター大聖堂があります。 こんな落ち着いた雰囲気なのに何故かこの大聖堂には不思議なものが沢山あります。 入り口付近には色んな国の言葉で「ようこそ」と書かれた看板がありました。 日本語が完全に女子文字。 これだけでなく、この大聖堂の中にはやたらと芸術作品が並べてあるんです。 ゴ・リ・ラ!! 大聖堂の中でゴリラを見たのは初めてです。(笑) ふざけているようで中身はしっかりした大聖堂なので行く価値はあります。 大聖堂を出て、市街地を散策してみると商店街の建物2Fが屋根付きになっていて雨でも買い物が出来るようになっていました。 雨の多いイングランド北部だけあって生活の知恵ってやつですね。 チェスターの見所は城壁の内側だけでなく外側にもあるんです。 城壁の外側にローマ時代の劇場跡やローマ時代の風呂跡なんかがあります。 少し南に行けばディー川が流れており、市民の憩いの場になっていました。 昼頃になって城壁に登って東門の上から市街を見渡すと、観光客で街は埋め尽くされていました。 日本人はあまり知らないチェスターですが、イギリス国内では住みやすい都市としても有名だそうです。 お腹が減ったので、Upstairs at the Grillというお店でランチのステーキセットを£11で頂きました。 肉の味がしっかりする竹バイク好きのステーキでソースもカレースパイスの風味がしてなかなか美味かったです。 お腹を満たしてから、チェスター駅方面へ歩いていると川をゆっくり走る船に出会いました。 なんか落ち着きますよね...。 旅でも忙しくしている日本人への警鐘といった感じにも受け取れました。 ただ私はTypical Japaneseなので、そそくさと次の目的地リヴァプールへ鉄道で移動です。 チェスターから在来線に乗って45分程度でリヴァプールMoorfields駅に到着。 ただ駅から出ると外は雨...。 とりあえず市街地にあるThe Sir Thomas Hotelへチェックインして、ゆっくりすることにしました。 イギリスのホテル価格は一部屋2万円くらいするのでホテルを満喫しないと損です。 とりあえずテレビを点けたらF1がやっていたので、ボーっと見ていると鈴鹿でした。 遠くイギリスから地元三重の様子を見ることになるとは...。 雨が少しマシになった気がしたので16時半頃に外出してみました。 リヴァプールはビートルズで有名な街なのでビートルズ関連のものがあちこちにあります。 海沿いにビートルズ4人の像があるというので行ってみることにしたのですが、そこでリヴァプールの洗礼を受けました。 雨が再び強く降り出し、真横から打ち付けるというひどい状況。 写真は撮れましたが辛かったです...。(涙) しばらくすると雨は弱まって何とか観光できるようになりましたが、テンションは下がり気味でした。 こんな厳しい環境だと人々の心も荒んでしまいますよね。 リヴァプールは数十年前までイギリスでも有数の治安の悪い都市だったらしいです。 しかし、英国政府がリヴァプールの観光に力を入れてから、観光都市へと変貌したそうです。 海沿いのアルバートドックは世界遺産にも登録されており、現在は美術館やレストランとして利用されています。 リヴァプールの街はコンパクトで中心市街地に商業施設が集まっているので簡単に回れます。 休日ということもあり、ショッピングモールには多くの人が訪れていました。 ふらふら歩いていたらお腹も減ったので、その辺のレストランに入ってみることにことに...。 1軒目→予約が無いと入れません。 2軒目→2人以上のお客様しか受け付けておりません。 3軒目→待ち時間が1時間半以上になります。 ...もう僕は生きていく自信を失いました。 レストランは諦めてロブスターポットと呼ばれる店に入り、店のカウンターテーブルでフィッシュアンドチップスを頂きました。 £7ほどでしたが、ロンドンで食べたものより美味かったです。 ポテトが山ほどあったのでもらった新聞紙に包んでホテルに持って帰りました。 ホテルでこのままゆっくりしても良かったのですが、机の上にあった観光案内のアルバートドックの夜景を見てしまったんです。 せっかくリヴァプールに来ているのにこれを見ずに帰るわけにいかないと思い再び外出。 アルバートドックの人通りは昼間に比べて少なかったですが、なかなか良い感じでした。 アルバートドックの夜景を満喫して、市街地を通ってホテルに戻ることにしました。 リヴァプール市街地のパブは夜まで大賑わいで、雨が降っても彼らには関係ないようでした。 そんな彼らに絡まれることなく、私は無事にホテルに戻ることが出来ました。 こうしてシャワーを浴びて、この日はダブルベットを贅沢に使って眠りについたのでした。 |
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10/8(日)、9時頃に起床し、前日のフィッシュアンドチップスのポテトを朝ごはん代わりに食べました。 ホテル代に全てを吸い取られて朝食を買う金も...。(笑) ホテルを10時頃チェックアウトして、リヴァプール観光再開です。 リヴァプールにはイギリス国教会最大のリヴァプール大聖堂があります。 ホテルから大聖堂へ向かう途中に不思議な光景を見ました。 まさにイギリスと中国が横並び...。 本当に中華街ってどこにでもありますね。 そんな中華街からしばらく歩くと、巨大な大聖堂が現れました。 こんな大聖堂の中には何があるんだろうと期待に胸を膨らませて近づくと入口に警備員が...。 日曜の朝だったので中に入れませんでした...。 仕方ないので教会の周りを一周して、市街地のLime Street駅付近まで戻りました。 この辺りは博物館、図書館、美術館があり、建物はギリシャの神殿のような感じで他の場所とは雰囲気が異なります。 こんな感じでリヴァプール観光を終えて、再び鉄道で移動です。 普通ならLime Street駅から直接移動できるはずなのですが、工事中なのでリヴァプールからからの移動はちょっと面倒でした。 まずMoorfields駅から一旦Liverpool South Parkway駅へ移動します。 そこから長距離列車に乗り換えて2時間程度かけて次の目的地バーミンガムへ。 14時過ぎにBirmingham New Street駅を降りるとそこは商業施設になっていました。 バーミンガムはイギリス第2の都市ということですが、街は非常にコンパクトです。 駅の東側にはブルリングと呼ばれる商業施設があり、多くの人で賑わっていました。 ただ迷路のような道+高低差で方向感覚を失いそうになりました。 この商業施設で人気なのが雄牛の像と呼ばれるもので、みんなが寄って集って写真を撮っていました。 きっと大宰府天満宮の牛的な立ち位置なんでしょうね。 みんな写真を撮っているだけで触った部分が健康になるとかではないみたいでした。 私も雄牛の股間を触るのを忘れてしまいました。(笑) ここから駅の西側へ歩いていくと雰囲気のある路地なんかもありました。 駅の東側の美術館などがあるヴィクトリアスクエアは憩いの場のようになっていました。 さらに西へ歩いていくと、産業革命時代の運河が残っていました。 運河はイギリス人にはそれほど珍しいものではないのかもしれませんが、私にはバーミンガム観光の目玉に思えました。 運河沿いはレストランが並び、運河を眺めながら一杯ってなかなか良いですよね。 そんなこんなで駅周辺に戻ると路面電車が走っているのが目に入りました。 路面電車好きの竹バイクはその姿を写真に収めないと気が済みません。 そのときは完全に怪しい東洋人になって電車を待ち構えてました。 こうしてバーミンガムからロンドンEuston駅に戻って、無事旅を終えたのでした。 |
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10/14(土)、早起きしてホームステイ近くのBarnes Bridge駅から在来線に乗ってロンドンの主要駅であるWaterloo駅へ。 休日の朝の小さな駅には私以外の乗客はほとんどいませんでした。 ここからイングランド西部に向かうエクスター駅行きの長距離列車に乗り換えました。 この日も全く予約をしなかったのですが、余裕で座ることが出来ました。 列車に揺られること2時間弱でソールズベリーという街に到着しました。 ソールズベリー観光は後回しで、まずは有名なストーンヘンジに向かうことにします。 駅前からストーンヘンジに行く観光バスが秋のシーズンは1時間1本出発しています。 ちょうど10時発のバスに乗れてラッキーだったのですが、料金はバス往復+入場料で£29と高額。 これだけ払ったのだからストーンヘンジはさぞ凄いんだろうなとハードルが上がります。 バスにはイヤホンが付いており、バス移動をしながら周辺のことについて日本語での案内も聞けます。 2階建てバスに揺られること30分ちょっとでストーンヘンジのビジターセンターに到着。 ここからストーンヘンジまで3kmほどは専用のバスに乗り換えて向かいます。 こうして到着したのがここです。 原っぱに石が並んでいる風景。 ...これもいい経験です。(涙) ストーンヘンジは紀元前3000年に作られ始め、時代を追うごとに段々と拡張されてきたらしいです。 この場所は祭壇として使われていたそうで、暦を知る術でもあったそうな...。 この巨石はウェールズから運ばれてきたらしいのですが、どうやって運んだかは未だ不明だそうです。 途中で放置されてしまった石もありました。 色々謎があるようですが、今となってはただの大きな環状の岩群ですね。 £29を納得するために岩を嘗め回すように見続けて、ビジターセンターに戻りました。 ビジターセンターには発掘された人骨や獣の骨を使った道具などの展示がありました。 屋外には当時の家の再現模型や岩を運ぶアイデアなどが展示されていました。 ただ展示よりも個人的には近くの牧草地にいる羊に魅かれてしまいました。 イギリスでは珍しくないのかもしれませんが、日本で羊に会えるのは特定の場所しかないですから。 こんな風に展示を見ていたら、1時間に1本のバスを逃してしまったのでゆっくり昼ごはん。 ENGLISH HERITAGEと書かれたサンドイッチとコーラを頂きました。 完全に観光地価格でしたけどね。 帰りのバスに乗ったら13時前で、さらに遠くに行くのは困難と判断。 本当はもう少し先のバースという街まで行きたかったのですが、またいつか行くことにします。 バスはのどかな丘陵地帯を走り抜け、ソールズベリーから数km離れたオールドセーラムに到着。 降りずにソールズベリーに戻ることも出来ますが、せっかく来たのだから降りてみることにしました。 オールドセーラムはこの地域の昔の中心地で、現在のソールベリーはニューセーラムとも呼ばれています。 この辺りも非常に長閑な場所で歩いていると、牛がお出迎えしてくれました。 肝心のオールドセーラムに入ってみるとそこにあったので緑の原っぱと石垣だけ。 高台にあるので生憎の曇り空でも見晴らしだけは素晴らしかったです。 こうしてオールドセーラムから市バスに乗ってソールズベリーの中心部に行きました。 市街地へのバスは£29のチケットで無料で乗ることが出来ました。 ソールズベリーはそれほど大きな街ではありませんが、マーケットが開かれていたりしてなかなか雰囲気の良い街でした。 この街のシンボルは何と言ってもソールズベリー大聖堂です。 高い建物があまり無いので、街のどこからでも大聖堂を見つけることが出来ます。 天に向かってすらっと伸びた尖塔が美しいです。 大聖堂の中の美しさはいわずもがなです。 ただこの大聖堂で一番有名なのはマグナカルタの原本が見れること。 あの中学校で習ったマグナカルタが無料で見られるなんて驚きです。 写真撮影は禁止ですが、行く価値はあると思います。 大聖堂を満喫してソールズベリーの街をふらふら散策。 田舎者の私にはロンドンは大都市過ぎるので、これくらいの街がちょうど良いです。(笑) こうしてソールズベリーの街を堪能して、鉄道でロンドンのWaterloo駅へ戻りました。 お腹も減ったので駅前のBlack & BlueでハンバーガーとLondon Pale Aleを頂きました。 こうして1日遊んで、BritRail Passを使い果たしたのでした。 ただ疑問に思うのは、利用日を自分で記載して列車の中で改札を受けるだけという使用ルール。 日本には消えるボールペンがあるので、利用日を書いては消してを繰り返せば1ヶ月間使えてしまうのでは...。 National Railさんはその辺りを考慮してスタンプを押すとか対策をした方が良いのではと思う次第です。 最後にイギリス鉄道旅行をしてみようかなと思った皆さんへのアドバイスがあります。 イギリスは日本と違って鉄道工事がやたらと多く、土日に止まっている路線があったりするのでちゃんと情報を調べる必要があります。 National Railのサイトでダイヤを調べればバス代替輸送になっていたりするので、情報は簡単に得られます。 列車に乗るのが苦でなければ、イギリス鉄道旅行を一度してみてはいかがでしょうか。 |
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